◆ 寺尾 1 ◆
 
2002・9月場所千秋楽
 
いつもの様に南門を左に曲るコースでさっそうと入場。入り待ちのファンの前を
俯きかげんで足早に通り過ぎる寺尾が、つと顔を上げた目線の先に晴也君が。
 
   
親友の阿武松親方が晴也君のマスに来て言葉をかけた。
控えで何を想う・・・
   
いよいよ土俵に上がる。何度か天を仰ぐ仕種
この勇姿は、もう観られない
   
「小さい時から相撲部屋で育ってますんで水と空気と相撲みた
いなものですね。」これが現役最後の仕切り。寺尾ォ〜〜〜オ!!!
   
最後の相手は相撲巧者の小城錦。
 
取組みを終え、優しい表情に
   
最後の勝ち名乗り
185センチ 116キロの身体は満身創痍だった
   
「トト、これからも元気でね。 せいや」
幕下陥落の黒星を喫した日、家に帰ると

場所中いつも玄関に置いてあった晴也君の手紙が

今までとは違い、相撲の事に触れていなかったので
ああ、子供も納得してくれたのかなと
はっきり引退を決意したという。
美しく優しき鉄人は土俵を去った。
23年間、ありがとうございました。
 
 
花道の奥に1番のファンだった晴也君、奥様、友人達が
 
それぞれの想いを胸に待っている。ありがとう!そしてお疲れ様!
 
   
   
   
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